2015/7/26・川奈 透明度5-10m 水温27℃
ベテランチームを率いていたマサシは、2本目のダイビングを終えると
得意気に「カメのこういう写真がずーっと撮りたかったんだよねぇっ」と、
全員に繰り返し力説していた。
でも、この数十分前までは1本目にたいして良い働きが出来ずに、
少し信任を失い、少し落ち込み、少し無口だった。
本人の言い訳としては、潜ろうと思っていた季節限定ポイント「赤根」
の潮流が速すぎて船を付けられず、馴染みの無いポイントに入る羽目になり、
これといった生き物を見つける事が出来なかった・・・ということらしい。
初心者ツアーチームで1本目をビーチポイントで過ごした僕らは、
お目当てのカメと戯れ、順風満帆な滑り出し。
陸に上がり、いま逢ってきたカメについて話しをしていると、
うつむき気味なマサシが歩み寄り、少しだけ鬼気迫る顔で、
「カメが見れた場所を教えてほしい」と聞き込みを始めた。
どうやら2本目はベテランチームもカメに照準を絞るようだ。
失敗を繰り返すわけにはいかないマサシは説明を終えた僕に、
その真剣な眼差しのまま、「その場所まで、俺、着いて行きます」
と、結局、自身がガイドするプレッシャーからあっさりと逃げた。
という事で・・・、
初心者ツアー組がベテラン組を引率するという摩訶不思議な
フォーメーションを余儀なくされ、本日2度目のカメを見、今、
マサシの得意げな成功秘話にさらされている。
その表情からは、さっきまでの無口で落ち込みがちな、
鬼気迫る姿や謙虚さは見当たらない。
まさ