何かと忙しい都会生活!
それでもダイビングを通じて海を身近に生活してるスタッフ達の不定期日記。

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九品仏の落ち猫

 

2021/1/20・お店番

 

 

 

 

 

 

隣の目黒区から縄張り拡張のため・・・

 

と言えば威勢がいいが、地元の権力闘争に巻き込まれ

元の住処にはもう居場所がない。

 

 

 

新天地を探し、あちらこちらを歩き回って

昨夜だって夜遅くまでこの辺の奴らに追い回されて

気づけばここにたどり着いていた。

 

が、

社の軒下さえ貸してもらえず

落ち葉をかぶって寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

およそ、

そんなところだろうと推測する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店番のために少し遠回りし

九品仏(浄真寺)の境内を歩いていると、

 

2本のご神木(イチョウ大木)がもたらした

ふかふかの落ち葉に隙間なく身を丸め、

右手で光を遮りながら睡眠を貪る

猫を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

僕らが近寄っても、

散歩の園児たちが側を通り過ぎても、

全く目覚める気配がない。

 

 

 

 

 

 

 

喧騒よりも、寒さよりも、

眠気が勝るのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねこ、

今夜は相当冷えるらしい。

 

 

夜露しのげる寝床、

早めに探しときんしゃい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさ

生きものたちを仰ぎ

 

 

 

2020/12/26-27・田子-熱海    透明度10-18m  水温17℃

 

 

アカスジウミタケハゼ by Akemo

 

 

 

 

 

年の瀬も差し迫り、海水温もやっと・・・

17℃台に下がってきた。

 

 

 

 

陸上は未曽有のパンデミック。

海中は未曽有の高水温。(深部は知らないが・・・)

 

 

 

海の中の暮らしも激動だったと推測する。

 

恩恵を受けるもの、受難のものがくっきりと分かれ、

伊豆の生態系はたった一年で見たこともない種の出現や、

既存種の衰退などが見られた。

 

 

 

 

 

このアカスジウミタケハゼも本来は南方種。

今や伊豆の至る所で普通種として観察出来る。

 

 

 

 

 

本来南国の代名詞・ハードコーラル(いわゆるサンゴ)

が伊豆の浅瀬を覆い始め、そこを宿主・生息域にする

 

フタスジリュウキュウスズメダイ、モンスズメダイ、

イシガキスズメダイ、アオスジテンジクダイ、

メガネゴンベ、ホシゴンベ、アカハラヤッコ、

タテジマヤッコ、などなどなどなどなど・・・・

 

今まで伊豆で目にすることはなかった南方種の

名前を挙げればキリがない。

 

 

 

 

 

その昔、

巨大な隕石が衝突して、

地球上の75%の生物が死滅した後に今の我々があるらしい。

 

 

 

 

 

陸も、海の中も、激変の繰り返し。

 

生き残りをかけて戦い、種の保存を目的として

進化やそのための営みを停めることは出来ない。

 

 

 

 

 

 

伊豆の海も潜り収め。

 

 

 

 

 

 

丘の上にも、海の中にも、

それを教えてもらった一年だった気がする。

 

 

 

 

 

 

恩恵も災難も受け入れて、

逞しく生きる生き物たちを仰ぎ見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今宵、

すぎ屋さんのおいしいご飯に唸り声をあげながら、

僕もその営みを停めることなく、粛々と・・。

 

 

 

 

メガネゴンベ by Shiotsuki

 

イソギンチャクモエビ&ミツボシクロスズメダイ by Shiotsuki

 

ハレギミノウミウシ by Reina

 

アンナウミウシ  by Akemo

 

セナキルリスズメ by Akemo

 

スジハナダイ by Reina

 

ベニハナダイ♀ by Reina

 

ベニハナダイ by Reina

 

キリンミノカサゴ  by Yuka

 

ムチカラマツエビ3mmとイボイソバナガ二2mm

 

トラフケボリダカラガイ by Shiotsuki

 

アオサハギ by Reina

 

 

 

 

 

ことしもたのしかった。

 

 

 

 

 

 

 

伊豆の海、

みなさま。

 

 

 

 

 

 

 

ありがとうございました。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

まさ

沈船でもなく洞窟でもない、熱海

 

 

 

 

2020/12/14-15・熱海-IOP    透明度12-18m  水温20℃

 

 

ボロカサゴ横から byせつこ

 

 

 

熱海の ”ビタガ根” にまっしぐら。

”沈船”に向かうマサシ達には一瞥もくれずまっしぐら。

 

 

 

もう僕たちの頭には、この ”ボロカサゴ” しかない。

 

 

 

気がはやり過ぎて一人でどんどん潜降を続ける

せっちゃんを何とか制止しつつ・・・

ビタガ根方向に降りていった。

 

 

 

途中、老成したウツボが力なく横たわっていた。

 

おそらく、

数時間後には有機物として他の生物達の糧となるだろう。

 

「ここまで立派に成長し、よく生きてきたね」

ウツボの身体をなでて称え、心の中で手を合わせた。

 

 

 

 

 

と、そうしてる間もせっちゃんソワソワ。

 

「ボロカサゴ」しか眼中にないのだからさもありなん。

 

 

 

 

 

その先5mのところに、「彼」は居た。

 

精巧な紫の模様を散りばめた、お洒落な衣を纏いて

海底に鎮座していた。

 

 

 

 

 

息をのむ美しさに感動すら覚える。

 

誰がこんな美しい魚に「ボロカサゴ」なんて名前を

つけたのか・・・。

 

 

 

 

ハゴロモカサゴとか、アナスイ(ANNA SUI)カサゴとか、

どうであろう??

 

 

 

 

 

 

 

 

あらゆる角度からの撮影会が始まった。

 

出逢えるチャンスはめったにない、

このうつくしい希少種を囲んで、

カメラと脳裏にその姿を焼き付ける。

 

 

 

 

ボロカサゴ 正面顔   byせつこ

 

 

 

 

 

 

そしてこのダイビングでも一つ記念すべきことが。

 

 

 

 

イシムラさんの700本。

 

 

 

 

僕の大物運の無さは御周知の事と思うが、

僕が”影”ならイシムラさんは”光”。

 

 

 

マンボウやハンマーヘッドシャークなど

はずしたことがないと言うくらいの強運の持ち主で

何度あやからせてもらった事か・・・。

 

 

 

 

 

 

たくさんの思い出と強運のおすそ分け、

今まで本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

なかなか独り立ちできる気がしないので・・・、

これからもお慕い申し上げますっ。

 

 

 

 

 

イシムラさん700本だよーっ 

 

 

 

 

 

記念日に、記念すべき生物に恵まれた熱海。

 

沈船や洞窟ポイントが取りざたされることが多い熱海ですが、

”ビタガ根”や”ソーダイ根”の方がむしろ生き物的には面白い。

 

みずきお手柄のクダゴンベ。

 

 

クダゴンベ byせつこ

 

 

ソフトコーラル群が広がる-20m付近の海底は起伏に富み、

生き物たちの密度が一気に上がる。

 

 

 

マツカサウオやら、各種甲殻類、サクラダイの群れ、

ガラスハゼやスケロクウミタケハゼなどが

ソフトコーラルに多く着生している。

 

 

アカホシカクレエビ byせつこ

 

 

 

巨大なソーダイ根の逆側の斜面を下っていくと、

そちら側の地形はさらに切り立ちハナダイの仲間が

乱舞している。

 

 

 

3本目、そちら側に降りていくと

スジハナダイやナガハナダイが求愛し、

縄張りを巡って争い活発に動き回っていた。

 

 

 

フタイロハナゴイも見つけたし、

キツネベラの幼魚も発見!シテンヤッコの幼魚もいて、

ダイブコンピューターが帰りを促してくれなければ

危うい所だった・・・。

 

 

ナガハナダイ ♂  byせつこ

 

スジハナダイ♂  byせつこ

 

フタイロハナゴイ byかおる

 

シテンヤッコ byせつこ

 

 

 

 

 

ビタガ根とソーダイ根で3本。

 

 

たっぷりと遊んで、夕陽しずむ田園風景を眺めながら

修善寺へと帰る。

 

 

 

 

そう今日はお泊り♪

 

 

 

 

熱海での撮れ高と、700本の歴史と、

すぎ屋の美味しい手料理を肴にして、

2020年潜り収めの夜は更けていく。

 

 

 

 

 

デザートも

 

 

 

二日目のアフターダイブは、小田原のイタリアン。

 

 

 

女子大喜びテラミス添えで。

 

 

 

まさ

 

さかな壁っ

 

2020/12/13・伊東   透明度12-15m  水温19-20℃

 

 

 

キビナゴ雲

 

 

 

 

巨大な暗雲がもの凄いスピードでうごめきながら

移動していた。

 

 

 

 

 

先月,

伊東の海を覗きに来た時も、もの凄い質量の生き物たちが、

食い合いの壮絶な命を燃しあっていた。

 

 

 

 

 

一か月がたった今、

その質量は細くなるどころか、更に厚みを増し、

視界いーっぱいにそのドラマを継続している。

 

 

 

 

 

 

 

何度もレギュレーターが口からポロリと落ちそうになり、

それでも、ただ見上げるばかり・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

差し込む太陽光線に捕食者の影が走ると、呼応するように

うごめく暗雲は散り散りになってはまた塊り、

その都度何匹かの犠牲を払いながら必死に捕食者をかわす。

 

 

 

 

 

上からは、スマガツオ・ワラサ・カンパチが高速で。

中層には、マダイ、アオリイカが待ち伏せ。

水底には、クエ、エソ、ヒラメが一瞬の隙を窺っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

敵に囲まれながらも、

キビナゴ雲は更に仲間を呼び寄せその数を増やし、

捕食者たちが100%満たされたとしても

おつりが出る規模を維持しようとする。

 

 

 

 

 

もっとマクロに考えると、

このおびただしいキビナゴ達を満たしたとしても

おつりが出る規模を維持している動物性プランクトン、

 

その動物性プランクトンを支える植物性プランクトン、

 

植物プランクトンを支えるあらゆる有機物やミネラルが、

 

絶妙バランスで成り立っていないと、この規模の営みを

こんなに長い期間維持することはできないという事。

 

 

 

 

 

 

 

 

キビナゴの暗雲が立ち込める海の中を進むと、今度は、

クロホシイシモチ、ネンブツダイ、キンメモドキ

を混合して出来上がった、強固なさかな壁にぶつかった。

 

 

 

さかな壁

 

 

 

 

「すごいな今年の伊東・・・。」

 

 

ポロリとレギュレーターがまた口から落ちそうになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ちぼうけ。なににするぅーっ?

 

 

 

 

アフターダイブ、

いつも美味しい魚介を食べさせてくれるご飯屋へ。

 

 

 

待ち時間に車内でメニュー熟考中。

 

 

 

半紙に書かれた筆書きを見てるだけなのに、

頭の中にはカラフルな刺身が浮かんで生唾が止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

胃にぽっかりスペースが出来上がって、ばっちこい美食。

 

楽しみは「食」へとスムーズに移行できている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メニューには載っていない、

旬のタチウオを人数分塩焼きにしてもらった。

 

 

 

タチウオのを塩焼きで頂く

 

 

 

 

箸をさすと、ふっくらほこほこ&

湯気が立ち上がる。

 

口に運ぶと、ふっくらほこほこ&

うまみを含んだ香ばしい脂が鼻に抜ける。

 

 

 

 

 

訳あって一本だけのダイビングで終えていたアキラさんも、

思わずほっこりぐびぐび(熱燗音が混じりました)。

 

 

 

 

 

もちろんカラフルな旬な彩も添えて・・・。

 

 

 

 

海鮮丼♪

 

 

 

 

 

 

年内は潜り収め・・・と言う方たちへ。

 

 

 

 

 

 

 

お付き合い頂きどれだけ救われたことか。

 

感謝申し上げます。

 

 

 

ひとりひとりの背景を背負い、

やれることをやるという点で、

出かける事も正解。出かけない事も正解。

 

 

 

共通の脅威にそれぞれが向き合いながら、

いましばらくの緊張状態は続きますが、

お体最優先に良いお正月をお迎えくださいっ。

 

 

 

一年間ありがとうございましたっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさ